「足場なんて、どこも同じでしょ?」
そう思っている方は、ぜひこの記事を読んでください。
足場は工事の「土台」です。足場の種類や設置方法によって、塗装品質が大きく変わります。
この記事では、塗装業50年の経験から、契約前に確認すべき足場の3つのポイントを解説します。
この記事で分かること
- 足場の種類と品質への影響
- 自社保有足場と外注・レンタルの違い
- 飛散防止ネットの重要性
- 業者に聞くべき質問リスト
- 足場で分かる業者の「ゆとり」
なぜ足場が品質を左右するのか
足場は塗装の「土台」
私は塗装業と足場仮設事業を50年営んできました。その経験から断言できることがあります。
足場がしっかりしていなければ、丁寧な塗装はできません。
足場が不安定だと、職人は足元を気にしながら作業することになります。そんな状態では、最も重要な下地処理に集中できません。
また、足場の設置状況は、業者の経営状態や仕事への姿勢を映す鏡でもあります。
【確認ポイント1】足場の種類
くさび式足場(ビケ足場)と単管足場の違い
外壁塗装で使われる足場には、主に2種類あります。
なぜ「くさび式足場」が推奨されるのか
1. 安定性が高い
くさび式足場は、部材同士がしっかり固定されているため、揺れが少なく安定しています。職人は足元を気にせず、塗装作業に集中できます。
2. 作業スペースが広い
足場板が広く、材料や道具を置くスペースも確保しやすいです。職人が効率よく作業でき、細部まで丁寧に塗装できます。
3. 安全性が高い
落下防止の手すりや巾木(つま先板)が設置しやすく、職人の安全を確保できます。安全な環境で作業できれば、品質も向上します。
単管足場のリスク
単管足場は、パイプを組んだだけの簡易的な足場です。
- 揺れやすく、足元が不安定
- 作業スペースが狭い
- 細部の作業がしにくい
- 下地処理に集中しにくい
私の著書『外壁塗装の不都合な真実』でも触れていますが、木で組んだ足場や簡易的な足場では、ちゃんとした塗装工事ができません。高圧洗浄や下地処理で足元が心もとないと、塗装で最も大切な工程がおろそかになります。
業者に聞くべき質問
良い回答例:
- 「くさび式足場を使用します」
- 「ビケ足場で、作業スペースも広く確保します」
注意が必要な回答:
- 「単管足場でコストを抑えています」
- 「足場は必要最低限で」
【確認ポイント2】足場は自社保有かレンタルか
自社足場保有のメリット
足場を自社で保有している業者は、塗装品質が高い傾向があります。
なぜなら、足場の保有状況は業者の「ゆとり」を示すからです。
自社足場保有が品質につながる理由
1. 「急がされない」現場環境
レンタル足場は、設置期間に応じて費用が発生します。そのため、工期を短縮する圧力がかかります。
一方、自社で足場を保有していれば、レンタル費用を気にせず、必要な日数を確保できます。
2. 「もう1日乾燥させたい」に対応できる
塗装は乾燥時間が命です。天候や気温によっては、「もう1日置いてから次の工程に進みたい」という判断が必要なこともあります。
自社足場なら、追加費用なしでこの判断ができます。
3. 経営の余裕 = 現場の余裕
足場は高価な設備です。これを自社で保有できる業者は、経営的に安定している証拠です。経営に余裕があれば、現場にもゆとりが生まれ、丁寧な仕事につながります。
私が足場仮設事業も営んできた理由
私は塗装業だけでなく、足場仮設事業も営んできました。その理由は単純です。
自分たちで足場をコントロールできなければ、品質を保証できないからです。
足場を外注すると、設置日程や撤去日程が業者の都合で決まります。「明日撤去です」と言われれば、乾燥が不十分でも作業を進めなければなりません。
それでは、良い仕事はできないのです。
業者に聞くべき質問
良い回答例:
- 「自社で足場を保有しています」
- 「自社スタッフで設置から撤去まで行います」
注意が必要な回答:
- 「レンタルです」
- 「専門業者に外注しています」
- 「毎回手配します」
【確認ポイント3】飛散防止ネットと安全対策
飛散防止ネットの役割
足場には飛散防止ネット(メッシュシート)を張る必要があります。
飛散防止ネットの目的:
- 塗料の飛散を防ぐ
- 高圧洗浄の水しぶきを防ぐ
- 近隣への迷惑を防ぐ
- 落下物から周囲を守る
ネットがない、または不十分だと:
- 近隣に塗料が飛散してトラブルに
- 車や植木に塗料が付着
- 洗浄水が飛び散る
- 近隣との関係悪化
安全対策の確認ポイント
足場設置時には、以下の安全対策も確認しましょう。
足場設置後のチェックリスト
足場が設置されたら、以下のポイントをチェックしましょう。
□ 飛散防止ネットが全面に張られている
□ 足場がぐらつかない(安定している)
□ 手すりが設置されている
□ 資材や工具が整理整頓されている
□ 車や植木が保護されている
□ 近隣への飛散が防げる状態になっている
業者に聞くべき質問
良い回答例:
- 「全面にメッシュシートを張ります」
- 「落下防止柵も設置します」
- 「近隣への挨拶も行います」
注意が必要な回答:
- 「ネットは一部だけです」
- 「必要最低限で」
足場で分かる「業者のゆとり」
塗装方程式で考える
私の著書『塗装方程式』では、塗装品質を次の式で表しています。
品質 = モチベーション × 技術 × 時間
足場は、この式の「時間」に大きく影響します。
足場は「会社の姿勢」を映す
足場を見れば、その業者がどのような姿勢で仕事に臨んでいるかが分かります。
良い業者の傾向:
- 足場を自社で保有している
- くさび式足場を使用している
- 飛散防止ネットを全面に張る
- 近隣への配慮がある
- 安全対策が徹底されている
注意が必要な業者の傾向:
- 足場は毎回レンタル
- 単管足場でコストを抑えている
- 飛散防止ネットが不十分
- 安全対策が甘い
- 「足場は関係ない」という姿勢
契約前に聞くべき質問リスト【まとめ】
契約前に、以下の質問を業者にしてみましょう。
足場の種類について
足場の保有について
安全対策について
よくある質問(FAQ)
Q. 単管足場でも品質は保てますか?
A. 保てないとは言い切れませんが、リスクは高まります。 単管足場は揺れやすく、作業スペースも狭いため、職人が細部まで丁寧に作業しにくくなります。特に下地処理や塗り残し確認に影響が出やすいです。
Q. 足場のレンタルは悪いことですか?
A. 悪いとは言いませんが、業者のゆとりに影響します。 レンタルの場合、設置期間に応じて費用が発生するため、工期を短縮する圧力がかかります。天候不良で延長が必要な場合の対応も確認しておきましょう。
Q. 足場費用は見積もりのどこを見ればいいですか?
A. 「足場仮設費」「仮設工事」などの項目を確認してください。「一式」と書かれている場合は、足場の種類や設置範囲を質問しましょう。足場費用は通常、総額の15〜20%程度が目安です。
Q. 足場が設置されたら、自分で確認できますか?
A. 地上から確認できる範囲で、ネットの張り具合や安定性を確認しましょう。足場に上がるのは危険なので避けてください。気になる点があれば、業者に写真を撮ってもらいましょう。
まとめ:足場の3つのチェックポイント
契約前に確認すべき足場のポイントは、以下の3つです。
足場は工事の「土台」です。足場をおろそかにする業者は、塗装もおろそかにする可能性があります。
契約前に足場について確認することで、業者の姿勢や経営状態を見極めることができます。
施工管理アプリで足場設置も可視化
施工管理アプリを使えば、足場設置から撤去まですべての工程を可視化できます。
- 足場設置の完了をLINEで通知
- 設置状況の写真を自動整理
- 21工程すべてをリアルタイムで確認
- 足場解体前の最終チェックリスト
「ちゃんとした足場が組まれているか」を、写真で確認できる安心感があります。
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→ 自社施工の塗装店を見分ける3つの質問|下請けに出す業者との違い
この記事は、塗装業・足場仮設事業50年の経験を持つ職人監修のもと作成されています。
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