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クラック補修の種類と方法|契約前に確認すべきこと

外壁のひび割れ(クラック)補修の種類と費用相場を解説。見積書での確認ポイント、契約書に入れるべき文言まで職人が教えます。

ご自宅の外壁にひび割れ(クラック)を見つけて、不安に思っていませんか?

小さなひび割れなら経過観察で問題ありませんが、放置すると雨漏りや建物内部の腐食につながる危険なものもあります。

この記事では、ひび割れの危険度の判断方法から、補修の種類と費用、そして最も重要な契約前に確認すべきポイントを解説します。

クラックを放置する危険性

大きなひび割れを放置すると、建物の寿命を縮めるさまざまなリスクが生じます。

雨漏りの発生

ひび割れの隙間から雨水が壁内部に浸入し、室内の雨漏りや内装材の劣化を引き起こします。

構造体の劣化・腐食

木造住宅では柱や梁の腐食、シロアリ被害を誘発します。鉄筋コンクリート造では内部の鉄筋が錆び、建物の強度が低下します。

爆裂現象と外壁の剥落

コンクリート内部で鉄筋が錆びると、体積が2.5倍以上に膨張し、内側からコンクリートを破壊する「爆裂現象」が起こります。

耐震性の低下

特に基礎部分に深刻なひび割れが入ると、地震に対する抵抗力が低下します。

ひび割れの緊急度を判断する4つのポイント

1. ひび割れの「幅」を確認する

ひび割れの深刻度を判断する最も重要な指標は「幅」です。

  • 0.3mm以下(ヘアークラック):緊急性は低い。塗装の劣化サインなので経過観察。DIY応急処置も可能
  • 0.3mm〜1.0mm:構造クラックの可能性あり。専門業者に点検を依頼すべき
  • 1.0mm以上:内部構造に達している可能性が高い。早急に補修が必要
  • 3.0mm以上:非常に危険。直ちに補修が必要

厚さ約0.3mmの一般的なハガキで、ひび割れに入るかどうかを確認できます。

2. ひび割れの「場所」を確認する

幅が狭くても、場所によっては注意が必要です。

窓やドアなど開口部の周辺

四隅から斜め方向に伸びるひび割れは、建物に構造的な負荷がかかっているサインです。

基礎部分

建物を支える基礎のひび割れは、特に深刻な問題につながる可能性があります。

3. ひび割れの「深さ」を確認する

深さが4mm以上に達している場合、構造に影響を及ぼす「構造クラック」のサインです。専門家による診断が必要です。

4. その他の危険なサイン

以下の兆候が見られる場合も注意が必要です。

  • ひび割れから茶色い錆汁が染み出している
  • 基礎部分に斜めや水平のひび割れがある
  • 基礎の高さいっぱいまで縦に伸びているクラック
  • 1m範囲内に3箇所以上集中している

プロによるクラック補修の方法

シール充填工法

ヘアークラックのような軽微なひび割れに対して行う方法です。ひび割れ部分にシーリング材を刷り込んで埋めます。

外壁塗装の下地処理として行われることが一般的です。

Uカット/Vカットシール充填工法

幅0.3mm以上の構造クラックで最も一般的に用いられる補修方法です。

【作業工程】

  1. 電動工具でひび割れに沿ってU字またはV字の溝を掘る
  2. 溝の中を清掃し、プライマーを塗布する
  3. 樹脂モルタルやエポキシ樹脂系のシーリング材を充填
  4. 表面を平らに仕上げる

樹脂注入工法(低圧注入工法)

より深く、幅の広いひび割れに対して行う工法です。専用の注入器を使い、ひび割れの奥深くまでエポキシ樹脂をゆっくりと注入します。

コンクリートの一体性を回復させる目的で、深刻な構造クラックに対して行われます。

補修材の種類と使い分け

プロはひび割れの状態によって補修材を使い分けます。

  • エポキシ樹脂:構造補強が目的。硬く、接着強度が高い。コンクリートを一体化させる
  • ポリウレタン樹脂:防水・柔軟性が目的。柔軟性があり、コンクリートの動きに追従。注入すると膨張して隙間を埋める

補修費用の目安

費用はひび割れの状況や範囲によって変動します。

  • 部分的なクラック補修:1箇所あたり約1〜2万円
  • 外壁全体の補修:約10数万円
  • 基礎部分の補修:全体で約10万円前後
  • 外壁塗装も同時に行う場合:約80〜150万円

※2階以上の作業には、別途足場費用(1㎡あたり約600〜800円)が発生します。

見積書での確認ポイント

「クラック補修一式」は要注意

見積書に「下地処理一式」「クラック補修一式」としか書かれていない場合、どの程度の補修をしてもらえるのか不明確です。

確認すべき記載内容

良い見積書には以下が明記されています:

  • 補修方法:「Uカットシール充填」など工法を明記(悪い例:「クラック補修一式」のみ)
  • 補修箇所:「外壁クラック○箇所」と数量記載(悪い例:記載なし)
  • 使用材料:メーカー名・製品名を明記(悪い例:「補修材」のみ)
  • 人工:下地処理に何人工かけるか明記(悪い例:記載なし)

業者に聞くべき質問

「下地処理にはどのくらいの時間をかけますか?」

下地処理にかける時間が品質を左右します。具体的な人工数を答えられる業者は、工程を理解している証拠です。

「クラック補修の写真は撮ってもらえますか?」

塗装後は補修跡が見えなくなります。補修前・補修後の写真を残してもらうことで、きちんと作業が行われた証拠になります。

契約書に入れるべき内容

見積書の確認だけでなく、契約書にも明記してもらいましょう。

契約書の記載例

・補修工法:Uカットシール充填工法 ・補修箇所:外壁クラック12箇所、基礎クラック3箇所 ・使用材料:○○メーカー エポキシ樹脂系補修材 ・写真記録:補修前・補修後の写真を施主に提出

保証内容の確認

  • どのような不具合が保証対象か
  • 保証期間は何年か
  • 保証書は書面で受け取る(口約束はNG)

施工業者の保証と材料メーカーの保証は別物であることも理解しておきましょう。

DIY補修の注意点

ホームセンターで補修材が手に入るため、DIYを検討される方もいるかもしれません。

それ以上のひび割れは、表面的な補修では根本原因を解決できず、場合によっては内部に湿気を閉じ込めて問題を悪化させる可能性があります。

また、高所での作業は転落の危険があるため、専門業者に依頼してください。

手抜き補修を見抜くサイン

1. 下地処理が1日で終わっている

どんなに良い塗料を使っても、下地処理が不十分なら数年で剥がれます。30坪の住宅で下地処理が1日で終わっているのは早すぎます。

2. クラック補修の形跡がない

塗装前にクラックがあったのに、補修の形跡(Uカット跡など)が見当たらない場合、補修が省略されている可能性があります。

3. 補修後の写真がない

きちんと補修を行った業者なら、写真記録を残しています。写真を見せてもらえない場合は確認が必要です。

飛び込み営業には要注意

突然訪問してきて、「このままでは家が危ない」と不安を煽り、契約を急がせる業者には注意が必要です。専門家による正確な診断には時間がかかります。

最低でも3〜4社から相見積もりを取り、費用・工法・工事範囲を比較検討しましょう。

まとめ:下地処理こそ塗装の命

外壁のひび割れは、住まいが発する重要なメンテナンスのサインです。

契約前の確認ポイント

  • ひび割れの「幅」「場所」「深さ」で緊急度を判断
  • 見積書に補修工法・箇所数・使用材料が明記されているか
  • 契約書に具体的な内容と保証が記載されているか
  • 補修前・補修後の写真記録を依頼する

塗装工事の「仕上がり」と「持ち」を決めるのは、塗る前の下地処理です。信頼できる職人は、外から見えない下地処理にこそ、最も時間と手間をかけます。

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