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「一式○○円」の見積書は危険!建設業法から学ぶ正しい見積書の見方

「外壁塗装一式80万円」——この見積書、実は危険です。建設業法でも「一式表記は避けるべき」とされています。追加請求・手抜きのリスクと、施主としての正しい対処法を解説。

はじめに:その「一式」見積書、本当に大丈夫ですか?

外壁塗装の見積書を受け取ったとき、こんな記載を見たことはありませんか?

  • 「外壁塗装工事一式 80万円」
  • 「屋根塗装一式 30万円」
  • 「諸経費一式 5万円」

一見シンプルで分かりやすく見えますが、実はこの「一式」という表記には重大なリスクが潜んでいます。

50年の塗装経験から断言します。「一式」だらけの見積書を出す業者には要注意です。

この記事では、国土交通省のガイドラインと建設業法に基づき、なぜ「一式見積書」が危険なのか、そして施主としてどう対処すべきかを解説します。

「一式見積書」に潜む3つのリスク

リスク1:工事範囲が曖昧になる

「一式」の最大の問題は、何がどこまで含まれているか分からないことです。

例えば「外壁塗装一式 80万円」と書かれていた場合:

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同じ「一式80万円」でも、実際の工事内容はまったく違う可能性があります。

工事が始まってから「それは一式に含まれていません。追加料金がかかります」と言われるトラブルが後を絶ちません。

リスク2:追加請求の温床になる

工事範囲が曖昧だと、「追加工事」の名目で際限なく請求される危険があります。

よくあるトラブル例:

  • 「下地が想定より傷んでいたので補修費用が追加です」
  • 「シーリングは見積もりに入っていません」
  • 「この部分は塗装範囲外です」

最初は80万円だった見積もりが、最終的に120万円になった——こうした事例は珍しくありません。

リスク3:手抜き工事を見抜けない

内訳がなければ、適正な工程が組まれているか確認できません。

例えば塗装は「下塗り・中塗り・上塗り」の3回塗りが基本ですが、「一式」では2回塗りで済まされても分かりません。

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実は法律違反の可能性も?建設業法の規定

「一式見積書」の問題は、単なる商習慣の問題ではありません。建設業法に違反する可能性があります。

建設業法が求める「明確な見積条件」

建設業法第20条では、見積書には「工事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳を明らかにして」見積りを行うよう定められています。

また、国土交通省の「発注者・受注者間における建設業法令遵守ガイドライン」には、こう明記されています:

「○○工事一式といった曖昧な記載は避けるべきである」

つまり、「一式」だらけの見積書は、法令遵守の観点からも問題があるのです。

契約書に「一式」はNG

建設業法第19条第1項では、契約書には具体的な「工事内容」を記載することが義務付けられています。

「外壁塗装一式」という表記では、この法的要件を満たしません。

法令を遵守する誠実な業者は、内訳を明記した見積書を出します。

「一式見積書」を受け取ったときの対処法

STEP 1:内訳の提示を求める

「一式」の見積書を受け取ったら、まず内訳の提示を依頼しましょう。

依頼例:

「見積書をありがとうございます。比較検討のため、足場費用、高圧洗浄費用、下地補修費用、塗装費用(塗料名・塗り回数・面積)、シーリング費用、付帯部塗装費用、諸経費の内訳を教えていただけますか?」

誠実な業者なら、快く内訳を出してくれます。

「うちは一式でしか出さない」「内訳は企業秘密」と言う業者は、その時点で候補から外すことをおすすめします。

STEP 2:工事範囲を明確にする

内訳を受け取ったら、次に工事範囲を具体的に確認します。

確認すべきポイント:

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これらを書面で確認しておくことが重要です。口頭での約束は、後から「言った・言わない」のトラブルになります。

STEP 3:契約書の内容を確認する

工事を依頼する前に、契約書の内容を必ず確認してください。

契約書に記載すべき重要事項:

  • 工事内容(具体的な範囲)
  • 工期
  • 支払い条件
  • 設計変更時の対応方法
  • 追加工事発生時の協議方法
  • 保証内容

特に「追加工事が発生した場合の取り決め」は必ず確認しましょう。

良い見積書の具体例

参考として、信頼できる業者の見積書の特徴を紹介します。

良い見積書のチェックポイント

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内訳明記の見積書例

【外壁塗装工事 見積書】

1. 仮設工事

  • 足場架設・撤去 180㎡ × 800円 = 144,000円
  • 養生 一式 = 30,000円

2. 下地処理

  • 高圧洗浄 145㎡ × 200円 = 29,000円
  • ケレン・下地補修 = 50,000円

3. 外壁塗装(エスケープレミアムシリコン)

  • 下塗り 125㎡ × 600円 = 75,000円
  • 中塗り 125㎡ × 900円 = 112,500円
  • 上塗り 125㎡ × 900円 = 112,500円

4. シーリング工事

  • 打ち替え 120m × 900円 = 108,000円

5. 付帯部塗装

  • 雨樋 45m × 800円 = 36,000円
  • 軒天 25㎡ × 1,200円 = 30,000円
  • 破風板 18m × 1,000円 = 18,000円

6. 諸経費 = 55,000円

─────────────────────

合計(税別)800,000円 / 総合計 880,000円(税込)

このように内訳が明記されていれば、何にいくらかかるのか一目瞭然です。

人工(にんく)で比較する視点

見積書を比較する際、もう一つ重要な視点があります。それが「人工」です。

人工とは、「職人1人が1日働く単位」のこと。同じ80万円の見積もりでも、実際に現場で作業する時間が違えば、品質は大きく変わります。

なぜ人工が重要なのか

塗装の品質は「時間」で決まります。

  • 下地処理に時間をかけているか?
  • 乾燥時間を十分に確保しているか?
  • 3回塗りを丁寧に行っているか?

これらはすべて「人工」に反映されます。

人工の確認方法

見積書に人工が書いていない場合は、こう聞いてみてください:

「この工事、何人で何日くらいかかりますか?」

30坪の住宅で、丁寧な施工なら20〜25人工(2人で10〜12日程度)が目安です。

10人工以下(2人で5日未満)の場合は、工程を省略している可能性があります。

まとめ:「一式」見積書への正しい対処

この記事のポイント

  1. 「一式」見積書は工事範囲が曖昧で危険
  2. 追加請求・手抜き工事の温床になりやすい
  3. 建設業法でも「一式」表記は避けるべきとされている
  4. 内訳の提示を求め、工事範囲を書面で確認する
  5. 人工(にんく)で比較すると品質が見える

見積書は、業者の「姿勢」が表れる書類です。

内訳を明記し、分かりやすく説明してくれる業者は、施工も丁寧な傾向があります。逆に、曖昧な見積書で説明を避ける業者は、工事も曖昧になりがちです。

その見積書、内訳は明記されていますか?

「一式」だらけの見積書を受け取って不安を感じている方、内訳の妥当性が分からない方は、50年の塗装経験を持つ現役職人による見積書診断をご活用ください。

紹介料を一切いただかない完全中立の立場から、以下の点を診断します:

  • 内訳は適切に記載されているか?
  • 工事範囲は明確か?
  • 人工数は適正か?
  • 追加請求のリスクはないか?

「一式」の裏に隠れた問題を、プロの目で見抜きます。

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