外壁塗装は100万円前後の大きな買い物です。見積もり比較に時間をかけても、契約書を「なんとなく」で署名してしまう方が少なくありません。
実は、住宅リフォームに関するトラブル相談は年間1万件以上。その多くが「契約内容と違う」「聞いていなかった」という契約書に関するものです。
契約書は、業者との約束を法的に守るための書類。署名してしまえば、書かれていない内容は「約束していない」ことになります。
この記事では、外壁塗装の契約前に必ず確認すべき7つの項目を解説します。
① 工事内容と使用塗料が具体的に記載されているか
最も重要なのが「何をするか」の詳細です。
・「外壁塗装工事一式 ○○万円」 ・「塗料:シリコン塗料」(商品名なし) ・面積の記載がない
確認すべきポイント
• 塗料のメーカー名・商品名が明記されているか
• 施工面積が㎡単位で記載されているか
• 下塗り・中塗り・上塗りそれぞれの塗料が書かれているか
• 付帯部(雨樋・破風・軒天など)の塗装範囲が明確か
「一式」という表記は便利な反面、何が含まれているか分かりません。トラブルの原因になりやすいので、具体的な記載を求めましょう。
② 工期は現実的な日数になっているか
工期が短すぎる場合、どこかの工程が省略される可能性があります。
・30坪の戸建て住宅で10〜14日程度が標準 ・天候による中断を含めると2〜3週間
確認すべきポイント
• 着工日と完了予定日が明記されているか
• 天候による延期の扱いはどうなっているか
• 工程表が添付されているか
「5日で終わります」など極端に短い工期を提示された場合は、乾燥時間の短縮や塗り回数の省略が行われる可能性があります。
③ 工事金額と支払い方法は明確か
金額だけでなく、支払い方法も重要な確認項目です。
確認すべきポイント
• 消費税込みか別か
• 材料費と工事費が分離されているか
• 支払いのタイミング(前払い/着工時/完了後)
支払い方法の種類
• 完了後一括払い(最も安心)
• 着工時半額・完了時半額
• 着工時3割・中間3割・完了時4割
全額前払いを要求する業者は避けるべきです。工事完了後に支払う方式であれば、万が一のトラブル時にも交渉の余地があります。
④ 保証内容は具体的に書かれているか
「10年保証」と言われても、何が保証されるかは業者によって異なります。
確認すべきポイント
• 保証期間は何年か
• 保証の範囲(剥がれ・膨れ・変色など)
• 免責事項(経年劣化、自然災害など)
• 保証書は発行されるか
注意すべき点
• 「自社保証」は業者が倒産すれば無効
• 「メーカー保証」は塗料自体の品質保証であり、施工品質は対象外のことが多い
• 「保証します」という口約束は無効。必ず書面で
保証内容が曖昧な場合は、「具体的に何が保証されますか?」と質問し、書面に残してもらいましょう。
⑤ クーリングオフの記載があるか
訪問販売で契約した場合、8日以内であれば無条件で解約できます。
確認すべきポイント
• クーリングオフの説明が赤字・8ポイント以上で記載されているか
• 契約日が明記されているか
クーリングオフが適用される条件
• 訪問販売で契約した場合
• 電話勧誘で契約した場合
適用されない場合
• 自分から店舗に出向いて契約した場合
• 自分から業者を呼んで契約した場合
クーリングオフの記載がない契約書は違法であり、8日を過ぎても解約できる可能性があります。「記載がないから解約できない」と諦める必要はありません。
⑥ 追加工事の取り扱いはどうなっているか
「工事を始めたら追加が必要と言われ、金額が膨らんだ」というトラブルは非常に多いです。
確認すべきポイント
• 追加工事が発生した場合の連絡・承諾フロー
• 施主の承諾なしに追加工事を行わない旨の記載
• 追加費用の概算提示義務
建設業法では、施主の承諾なしに工事内容を変更したり、追加工事分を勝手に請求することは認められていません。 契約書に「追加工事は施主の書面による承諾を得てから行う」と明記されているか確認しましょう。
⑦ 損害発生時の対応は明記されているか
工事中に何らかの事故や損害が発生した場合の対応も重要です。
確認すべきポイント
• 工事中の事故(近隣への塗料飛散など)の責任
• 工事保険への加入有無
• 下請け業者が工事する場合の責任の所在
• 瑕疵(かし)担保責任の記載
注意すべき点
• 「すべて自社施工」と言いながら下請けに丸投げする業者もいる
• 下請けがミスした場合、責任の所在が曖昧になりやすい
• 工事保険に加入していない業者は避けるべき
「工事保険には入っていますか?」「万が一の事故の場合はどうなりますか?」と事前に確認しておきましょう。
危険な契約書パターン
以下のような契約書は要注意です。
そもそも契約書がない
口約束だけで工事を進めようとする業者は論外です。どんな小さな工事でも契約書は必須。
「一式○○万円」で内訳がない
何にいくらかかっているか分からない見積もりは、後から「含まれていない」と言われるリスクがあります。
保証内容が曖昧
「保証します」だけで、具体的な期間や範囲が書かれていない。
クーリングオフの記載がない
訪問販売の場合、これは違法です。
約款が業者に都合よく書かれている
「いかなる場合も返金しない」「業者の判断で工事内容を変更できる」などの記載があれば要注意。
まとめ:契約前チェックリスト
署名する前に、以下の項目を確認しましょう。
✓契約前チェックリスト
- 工事内容・塗料名・面積が具体的に記載されているか
- 工期は現実的か(30坪で10日以上)
- 支払い方法は完了後支払いか
- 保証内容と期間が明記されているか
- クーリングオフの記載があるか
- 追加工事の取り扱いが明記されているか
- 損害時の対応・保険加入が確認できるか
契約書の内容に疑問があれば、署名する前に必ず質問してください。「急いで契約してほしい」と言う業者ほど、契約書の確認を嫌がります。
誠実な業者は、契約書の説明を丁寧に行います。
「契約書を見せてください」「この項目の意味を教えてください」と言える関係が築ける業者を選びましょう。
契約前の方へ
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建設マネジメントの専門家が、見積書の内容を診断し、適正価格かどうかをアドバイスします。
すでに契約してしまった方へ
契約日から8日以内であればクーリングオフが可能です。
契約書の内容に不安がある場合は、お早めにご相談ください。
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