ホーム/コラム/高圧洗浄の確認ポイント|施主が見るべき場所と時間の目安

高圧洗浄の確認ポイント|施主が見るべき場所と時間の目安

外壁塗装の高圧洗浄で施主が確認すべき6つのポイントを解説。適正な洗浄時間は半日〜1日が目安。

「高圧洗浄って、ただ水で洗うだけでしょ?」

多くの施主がそう思っています。しかし、高圧洗浄は外壁塗装の品質を左右する極めて重要な工程です。

高圧洗浄が不十分だと、どんなに高級な塗料を使っても、数年で剥がれてしまいます。汚れやカビの上から塗料を塗っても、密着しないからです。

この記事では、塗装業50年の経験から、高圧洗浄で施主が確認すべきポイントと、適正な洗浄時間の目安を解説します。

この記事で分かること

  • 高圧洗浄の役割と重要性
  • 適正な洗浄時間の目安
  • 施主が見るべき確認ポイント
  • 高圧洗浄の手抜きパターンと見分け方
  • 洗浄後の乾燥時間について

高圧洗浄の役割と重要性

なぜ高圧洗浄が必要なのか

高圧洗浄は、塗料を密着させるための「下準備」です。

外壁には、長年の間に以下のようなものが付着しています。

  • 埃・砂:風で運ばれてきた微細な粒子
  • 排気ガス:車の排気ガスによる油分
  • チョーキング:旧塗膜が劣化して粉状になったもの
  • カビ・藻:特に北側や日当たりの悪い場所
  • コケ:湿気の多い場所
  • 蜘蛛の巣・虫の死骸:軒下や窓まわり

これらの汚れの上から塗料を塗ると、塗料は汚れに密着してしまいます。汚れが剥がれれば、塗料も一緒に剥がれる。これが「塗装が長持ちしない」原因の一つです。

高圧洗浄を省くと何が起こる?

高圧洗浄を省略したり、不十分な洗浄で済ませると、以下の問題が発生します。

[@portabletext/react] Unknown block type "table", specify a component for it in the `components.types` prop

私の著書『外壁塗装の不都合な真実』でも触れていますが、塗装は塗るまでの下地処理が命です。どんなに良い塗料を使っても、下地処理が不十分では長持ちしません。

高圧洗浄は「見えなくなる」工程

高圧洗浄は、塗装が終われば見えなくなります。

「ちゃんと洗浄したかどうか」は、完成後には分かりません。だからこそ、高圧洗浄の段階で確認することが重要なのです。

適正な洗浄時間の目安

一般的な戸建て住宅の場合

延床30坪程度の戸建て住宅の場合、高圧洗浄には以下の時間が目安となります。

[@portabletext/react] Unknown block type "table", specify a component for it in the `components.types` prop

「半日〜1日」が高圧洗浄の適正時間です。

これより極端に短い場合は、洗浄が不十分な可能性があります。

洗浄時間が短すぎる場合の問題

「高圧洗浄は2時間で終わりました」

こう報告があった場合、要注意です。30坪の家の外壁・屋根を2時間で洗浄するのは、物理的にかなり困難です。

短時間で終わる理由として考えられるのは:

  • 水圧を下げて「流しただけ」
  • 汚れの多い箇所を飛ばしている
  • 細部(入隅・裏側)を洗っていない
  • 屋根を洗浄していない

汚れの程度で時間は変わる

外壁の汚れ具合によって、必要な洗浄時間は変わります。

時間がかかるケース:

  • 北側にカビ・藻が多い
  • チョーキングがひどい
  • 築年数が長く汚れが蓄積している
  • リシン・スタッコなど凹凸が多い仕上げ

比較的早く終わるケース:

  • 築10年以内で汚れが少ない
  • 南面が多く日当たりが良い
  • フラットなサイディング外壁

ただし、どんなに汚れが少なくても、最低3時間以上はかかると考えてください。

施主が見るべき確認ポイント

ポイント1:北側の外壁

最も重要なチェックポイントは、北側の外壁です。

北側は日当たりが悪く、カビや藻が発生しやすい場所。高圧洗浄でしっかり除去しないと、塗装後もカビが塗膜の下で繁殖し、早期に膨れや変色の原因になります。

確認方法:

  • 洗浄前:緑色や黒色のカビ・藻がないか確認
  • 洗浄後:カビ・藻が完全に除去されているか確認
  • 触ってみる:ヌルヌルした感触が残っていないか

見落としやすいポイント:

  • 給湯器の裏側
  • エアコン室外機の裏側
  • 物置・カーポートの影になる部分

ポイント2:軒天(のきてん)

軒天は屋根の裏側部分。雨が直接当たらないため、埃や蜘蛛の巣が溜まりやすい場所です。

確認方法:

  • 洗浄後、蜘蛛の巣や虫の死骸が残っていないか
  • 埃の跡が残っていないか
  • 換気口まわりも洗浄されているか

注意点:

軒天は「上を向いて洗浄する」作業のため、職人も見落としやすい場所です。

ポイント3:雨樋(あまどい)の内側

雨樋の内側には、落ち葉や泥が溜まっていることがあります。

確認方法:

  • 雨樋の中にゴミが残っていないか
  • 集水器(縦樋との接続部分)が詰まっていないか

注意点:

雨樋の内側は塗装しませんが、洗浄時に一緒に清掃してもらえると安心です。事前に依頼しておきましょう。

ポイント4:窓枠・サッシまわり

窓枠やサッシのまわりは、汚れが溜まりやすく、養生との境目にもなる重要な箇所です。

確認方法:

  • 窓枠の隅に汚れが残っていないか
  • サッシのレールに泥が残っていないか
  • 窓ガラスに汚れが飛散していないか

ポイント5:基礎まわり

基礎(コンクリート部分)と外壁の境目も、汚れが溜まりやすい場所です。

確認方法:

  • 基礎と外壁の境目に泥跳ねが残っていないか
  • 基礎にカビや苔が残っていないか

注意点:

基礎部分は塗装範囲外のことが多いですが、汚れが残っていると仕上がりの印象が悪くなります。

ポイント6:屋根(洗浄する場合)

屋根の高圧洗浄は、地上からは確認しにくい場所です。

確認方法:

  • 洗浄前後の写真を撮ってもらう
  • コケや汚れが除去されているか写真で確認
  • 棟板金まわりも洗浄されているか確認

注意点:

スレート屋根(カラーベスト・コロニアル)は、高圧洗浄で割れることがあります。洗浄後に割れた箇所がないか確認しましょう。

高圧洗浄の手抜きパターンと見分け方

パターン1:洗浄時間が極端に短い

最も多い手抜きは、洗浄時間の短縮です。

見分け方:

  • 工程表で高圧洗浄の日数を確認
  • 「洗浄は午前中で終わりました」→ 要確認
  • 30坪の家で2〜3時間は短すぎる

対策:

事前に「高圧洗浄にはどれくらい時間がかかりますか?」と確認しておく。

パターン2:水圧が低い

高圧洗浄機の水圧を下げて、「流しているだけ」の状態。

見分け方:

  • 洗浄後もチョーキングが残っている(触ると粉がつく)
  • カビ・藻の跡が残っている
  • 汚れのラインが見える

確認方法:

洗浄後に外壁を触ってみましょう。チョーキングが残っていれば、洗浄不十分です。

パターン3:細部を洗っていない

入隅(内側の角)や裏側など、洗いにくい場所を省略。

見分け方:

  • 入隅に汚れが残っている
  • 配管・室外機の裏側が汚い
  • 雨樋の裏側が洗われていない

確認方法:

足場があるうちに、細部を確認しましょう。

パターン4:足場設置当日に洗浄して塗装開始

足場を設置した当日に洗浄し、翌日から塗装を始めるパターン。

問題点:

  • 洗浄時間が短くなりがち
  • 乾燥時間が不十分

見分け方:

工程表を確認。足場設置と高圧洗浄が同じ日、かつ翌日から塗装開始なら要注意。

パターン5:カビ・藻の殺菌処理をしていない

高圧洗浄だけではカビの根まで除去できないことがあります。

見分け方:

  • 北側にカビが多かった場合、殺菌剤(バイオ洗浄)の使用有無を確認
  • 洗浄後もカビの跡(黒ずみ)が残っている

対策:

カビが多い外壁の場合、「バイオ洗浄」や「殺菌剤」を使用するか事前に確認しておく。

洗浄後の乾燥時間について

洗浄後は乾燥が必要

高圧洗浄後、すぐに塗装を始めてはいけません。

外壁が濡れた状態で塗装すると、塗料の密着が悪くなり、膨れや剥がれの原因になります。

乾燥時間の目安:

[@portabletext/react] Unknown block type "table", specify a component for it in the `components.types` prop

乾燥を確認する方法

確認方法:

  • 外壁を触って湿り気がないか
  • 日陰や北側の面も乾燥しているか
  • 入隅や窓下など水が溜まりやすい場所もチェック

注意点:

表面が乾いていても、内部に水分が残っていることがあります。特に冬場や曇天の場合は、乾燥時間を長めに取る必要があります。

乾燥不十分のまま塗装するとどうなる?

乾燥が不十分なまま塗装すると、以下の問題が発生します。

  • 塗膜の膨れ:内部の水分が蒸発しようとして膨れる
  • 密着不良:塗料が水分に弾かれて密着しない
  • 白化(ブラッシング):塗膜が白っぽくなる
  • 早期劣化:塗膜の耐久性が低下

高圧洗浄完了時のチェックリスト

高圧洗浄が完了したら、以下のポイントを確認しましょう。

確認チェックリスト

  • [ ] 北側の外壁:カビ・藻が除去されているか
  • [ ] 軒天:蜘蛛の巣・埃が除去されているか
  • [ ] 入隅・出隅:汚れが残っていないか
  • [ ] 窓枠・サッシまわり:汚れが残っていないか
  • [ ] 配管・室外機の裏側:洗浄されているか
  • [ ] 基礎まわり:泥跳ねが残っていないか
  • [ ] チョーキング:触っても粉がつかないか
  • [ ] 洗浄時間:適正な時間(半日〜1日)かかったか
  • [ ] 洗浄前後の写真:撮ってもらったか

写真記録のポイント

高圧洗浄の前後に、以下の写真を撮ってもらいましょう。

  1. 洗浄前(四方から全景)
  2. 洗浄後(四方から全景)
  3. 北側の外壁(カビ・藻の除去状況)
  4. 細部(入隅・裏側など)
  5. 屋根(洗浄する場合)

施工写真の撮り方|トラブル時の証拠になる記録術

よくある質問(FAQ)

Q. 高圧洗浄で窓ガラスは割れませんか?

A. 通常は割れません。ただし、ひび割れがある窓や、古い網入りガラスは注意が必要です。事前に業者に窓の状態を伝えておきましょう。

Q. 高圧洗浄の水道代は誰が払いますか?

A. 通常は施主負担です。高圧洗浄で使用する水量は、30坪の家で約300〜500リットル程度。水道代は数百円〜1,000円程度です。見積書に「水道代は施主負担」と記載されていることが多いので確認しましょう。

Q. 雨の日に高圧洗浄しても大丈夫ですか?

A. 作業自体は可能ですが、おすすめしません。雨の日は洗浄後の乾燥に時間がかかり、工程全体に影響します。また、滑りやすく危険です。

Q. 高圧洗浄をしないで塗装する業者がいると聞きましたが…

A. 絶対に避けるべきです。高圧洗浄を省略する業者は、下地処理を軽視している可能性が高く、塗装の品質に問題が出る確率が高いです。見積書に「高圧洗浄」が含まれているか必ず確認しましょう。

Q. バイオ洗浄とは何ですか?

A. 殺菌剤を使った洗浄方法です。通常の高圧洗浄では除去しきれないカビや藻の根を、殺菌剤で処理します。北側にカビが多い場合や、過去にカビが再発した経験がある場合は、バイオ洗浄を依頼することをおすすめします。追加費用がかかることが多いので、事前に確認しましょう。

まとめ:高圧洗浄は「下地処理の第一歩」

高圧洗浄は、外壁塗装の品質を左右する重要な工程です。

適正な洗浄時間の目安:

  • 外壁のみ:半日(3〜5時間)
  • 外壁+屋根:丸1日(6〜8時間)

施主が見るべき確認ポイント:

  1. 北側の外壁(カビ・藻の除去)
  2. 軒天(蜘蛛の巣・埃)
  3. 入隅・裏側(細部の洗浄)
  4. チョーキングの除去(触って確認)
  5. 洗浄後の乾燥状態

高圧洗浄の手抜きパターン:

  • 洗浄時間が極端に短い
  • 水圧が低い(流しているだけ)
  • 細部を洗っていない
  • 乾燥時間を取っていない

「塗装は塗るまでの下地処理が命」です。高圧洗浄をしっかり確認することで、長持ちする塗装工事につながります。

施工管理アプリで高圧洗浄を確認

施工管理アプリでは、高圧洗浄の工程も管理できます。

  • 洗浄開始・完了のLINE通知
  • 洗浄前後の写真記録
  • 乾燥時間のチェック機能
  • チェックリストで確認漏れを防止

「ちゃんと洗浄してくれたかな…」という不安を解消できます。

施工管理アプリの詳細はこちら

関連記事

下塗り完了時に確認すべきこと|色で分かるチェック法

施工写真の撮り方|トラブル時の証拠になる記録術

外壁塗装の工程表の見方|遅れを早期発見する方法

足場解体前の最終チェックリスト

この記事は、塗装業50年の経験を持つ職人監修のもと作成されています。

工事中に業者に質問すべきこと5選|遠慮は禁物

乾燥時間の確認方法|気温・湿度別の目安表【保存版】

自分でできる施工チェック|写真記録のコツと撮影ポイント

足場解体後に不具合発見|今からできる対処法

自社施工の塗装店を見分ける3つの質問|下請けに出す業者との違い

外壁塗装の工程|施主が確認すべき21のチェックポイント

足場設置で確認すべき3つのポイント|契約前チェックリスト

外壁塗装の養生とは?契約前に確認すべき範囲と方法

冬の屋根塗装|1日の作業時間は4時間だけ?白化現象を防ぐ工程管理

お風呂周りの外壁がボロボロ…凍害の原因と正しい補修方法

外壁塗装の工期は何日が適正?契約前に確認すべき日数

雨の日の塗装はNG?契約前に確認すべき天候ルール

外壁塗装の「現場調査」で業者を見極める5つの質問

塗装前の「色決め」で失敗しない方法|契約前の注意点

見積書、このままで大丈夫?

50年の現場経験を持つ診断アドバイザーが、あなたの見積書をチェックします。 適正価格か、工程に問題はないか、第三者の目で確認してみませんか?

無料で相談する

※ 営業目的の連絡は一切いたしません

プロが使う人工数比較シートを無料プレゼント

見積書の「人工数」を比較して、手抜き業者を見抜く

※ 個人情報は厳重に管理し、第三者に提供することはありません