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施工写真の撮り方|トラブル時の証拠になる記録術

外壁塗装の施工記録の残し方を解説。360度動画・動画・写真の優先順位、必ず記録すべき7つのタイミング、証拠として認められる条件まで。

外壁塗装の工事中、「写真を撮っておいた方がいい」と聞いたことがある方は多いでしょう。

でも、いざ撮ろうとすると…

「何を撮ればいいか分からない」

「どう撮れば証拠になるのか分からない」

「業者が写真を送ってくれるから大丈夫では?」

そう思っていませんか?

実は、トラブル時に「証拠」として使える記録には、撮り方のコツがあります。

そして、記録の信頼性には明確な優先順位があります。360度動画 > 動画 > 写真の順です。

この記事では、塗装業50年の経験から、トラブル時に本当に役立つ記録の残し方を解説します。

この記事で分かること

  • なぜ施主自身が記録を残すべきなのか
  • 記録媒体の優先順位(360度動画・動画・写真)
  • 各媒体のメリット・デメリットと撮り方
  • 必ず記録すべき7つのタイミング
  • トラブル時に「証拠」として認められる条件

なぜ施主自身が記録を残すべきなのか

業者の記録だけでは不十分な理由

「業者が写真を撮って報告してくれるから大丈夫」

そう思っている方は多いですが、業者の記録には限界があります。

業者が撮る写真の特徴:

  • 「うまくいった部分」を中心に撮る
  • 都合の悪い写真は共有されない可能性がある
  • 撮影タイミングが施主には分からない
  • 業者の主観で選別されている

もちろん、誠実な業者は正直に記録を共有してくれます。しかし、万が一のトラブル時に、業者側の記録だけで施主の主張を証明するのは難しいのが現実です。

「言った・言わない」を防ぐ

トラブルの多くは「言った・言わない」の水掛け論になります。

「下塗りはちゃんとやりました」

「乾燥時間は十分取りました」

「この傷は工事前からありました」

口頭での説明は、後から確認する手段がありません。記録があれば、事実を客観的に確認できます。

自分の財産は自分で守る

外壁塗装は100万円を超える大きな買い物です。

業者を信頼することと、記録を残すことは矛盾しません。信頼しつつも、万が一に備える。これが賢い施主の姿勢です。

記録媒体の優先順位

証拠としての信頼性ランキング

記録媒体には、証拠としての信頼性に明確な差があります。

1位:360度動画(信頼性◎)- 全方位を記録、切り取り・改ざんが困難

2位:動画(信頼性○)- 時間経過と連続性を記録できる

3位:写真(信頼性△)- 瞬間のみ、撮影者の意図が入りやすい

「360度動画 > 動画 > 写真」

この優先順位を覚えておいてください。

なぜ360度動画が最強なのか

360度動画が証拠として最も信頼性が高い理由は、「切り取り」ができないからです。

通常の写真や動画は、撮影者が「何を映すか」を選べます。都合の悪い部分を映さない、という操作が可能です。

しかし360度動画は、その場の全方位をすべて記録します。「撮影者の意図」が入り込む余地がないのです。

また、360度動画は編集・改ざんが技術的に難しく、裁判などでも証拠能力が高いとされています。

【1位】360度動画の撮り方

必要な機材

おすすめ機種:

  • Insta360シリーズ(X3、X4など)
  • GoPro MAX
  • Ricoh THETA

価格帯は3万円〜6万円程度。スマホに接続して使えるモデルも多く、操作は簡単です。

撮影のコツ

1. 撮影位置

部屋の中央、または外壁から2〜3m離れた位置に三脚で固定します。高さは目線(150cm程度)が基本。

2. 撮影時間

1箇所につき30秒〜1分程度。ゆっくり周囲を見渡すイメージで撮影します。動かさず固定撮影がベスト。

3. 撮影タイミング

工程の「ビフォー・アフター」を撮影します。特に重要なのは以下のタイミング:

  • 工事開始前(現状記録)
  • 足場設置後
  • 高圧洗浄後
  • 下塗り完了後
  • 中塗り完了後
  • 上塗り完了後
  • 足場解体前

4. 音声も記録

360度動画は音声も記録されます。撮影時に「○月○日、下塗り完了後の状態です」と声に出して記録すると、より証拠能力が高まります。

360度動画のメリット・デメリット

メリット:

  • 証拠としての信頼性が最も高い
  • 切り取り・改ざんが困難
  • 後から任意の角度を確認できる
  • 見落としがない

デメリット:

  • 専用機材が必要(3万円〜)
  • データ容量が大きい
  • 撮影に慣れが必要

【2位】動画の撮り方

スマホで十分

動画撮影は、お手持ちのスマホで十分です。特別な機材は必要ありません。

撮影のコツ

1. 横向き(横位置)で撮影

スマホは横向きで撮影します。縦向きだと映る範囲が狭くなり、証拠としての価値が下がります。

2. ゆっくり、全体を映す

急いでカメラを動かすと、何が映っているか分からなくなります。1箇所につき10秒以上、ゆっくりとパンしながら撮影します。

3. 引きと寄りの両方

まず全体を映す「引き」の映像を撮り、その後に気になる部分を「寄り」で撮影します。

悪い例:いきなりクラック部分をアップで撮影 → どこの壁か分からない

良い例:外壁全体を映してから、クラック部分にゆっくりズーム → 場所と状態が両方分かる

4. ナレーションを入れる

撮影しながら、状況を声に出して説明します。

「○月○日、中塗り完了後の南面です。この部分に塗りムラがあるように見えます」

音声付きの記録は、後から状況を思い出す際にも役立ちます。

5. 日時が分かるようにする

撮影前に、スマホの画面やその日の新聞などを映しておくと、撮影日時の証明になります。

動画のメリット・デメリット

メリット:

  • スマホで手軽に撮影できる
  • 時間経過と連続性を記録できる
  • 音声で補足説明ができる
  • 写真より情報量が多い

デメリット:

  • 撮影者の意図で映す範囲を選べる
  • 手ブレで見づらくなることがある
  • データ容量がそこそこ大きい

【3位】写真の撮り方

写真だけでは不十分な理由

写真は最も手軽ですが、証拠としては最も弱い記録媒体です。

写真の弱点:

  • 瞬間しか記録できない
  • 撮影者が「何を映すか」を完全にコントロールできる
  • 前後の状況が分からない
  • 「この写真はいつ撮ったのか」が争われやすい

とはいえ、360度動画や動画を撮る時間がない場合、写真でも「ないよりはずっとマシ」です。

撮影のコツ

1. 「全体→部分」の順で撮る

必ず「どこの写真か」が分かるように、全体写真を先に撮ります。

撮影順序:

建物全体(どの建物か分かる)

該当する面の全体(南面・北面など)

気になる部分のアップ

2. 複数アングルから撮る

同じ箇所を、正面・斜め・近距離など複数のアングルから撮影します。1枚だけだと「たまたまそう見えただけ」と言われる可能性があります。

3. 比較対象を入れる

大きさが分かるように、メジャーや手、硬貨など比較対象を写り込ませます。

「クラックの幅が5mm」と言っても、写真だけでは伝わりません。メジャーを当てて撮影すれば、客観的な証拠になります。

4. 日付入り設定にする

スマホのカメラ設定で、写真に日時が記録されるようにしておきます(通常はデフォルトで記録されます)。

さらに確実にするなら、撮影前にその日の新聞やスマホの日付画面を撮っておきましょう。

5. 撮りすぎるくらいでちょうどいい

「こんなに撮って意味あるかな」と思うくらい撮っておいて問題ありません。後から「あの部分も撮っておけばよかった」と後悔するより、撮りすぎる方がずっといいです。

写真のメリット・デメリット

メリット:

  • 最も手軽、いつでも撮れる
  • データ容量が小さい
  • 整理・共有が簡単

デメリット:

  • 証拠としての信頼性が最も低い
  • 瞬間しか記録できない
  • 撮影者の意図が入りやすい
  • 前後の文脈が分からない

必ず記録すべき7つのタイミング

工程ごとの記録ポイント

以下の7つのタイミングでは、必ず記録を残しましょう。できれば360度動画か動画、難しければ写真でも構いません。

① 工事開始前(最重要)

工事開始前の現状記録は最も重要です。

「この傷は工事前からありました」「この汚れは元々ありました」

こうした主張の真偽を確認できるのは、工事前の記録だけです。

記録すべき内容:

  • 外壁全体の状態
  • 既存のクラック・汚れ・傷
  • 周辺の状況(隣家、車、植木など)

② 足場設置後

足場が設置されると、外壁に近づいて確認できるようになります。

記録すべき内容:

  • 足場の設置状況
  • 近距離で見た外壁の劣化状態
  • クラック・コーキングの状態

③ 高圧洗浄後

高圧洗浄でどの程度汚れが落ちたかを記録します。

記録すべき内容:

  • 洗浄後の外壁全体
  • 汚れが落ちにくかった部分
  • 洗浄で見えるようになった劣化

④ 下地処理後

クラック補修やコーキング打ち替えの状態を記録します。

記録すべき内容:

  • クラック補修の跡
  • コーキングの打ち替え状況
  • ケレン(錆落とし)の状態

⑤ 下塗り完了後

下塗りは上塗り後に確認できなくなる「見えない工程」です。

記録すべき内容:

  • 下塗り完了後の外壁全体
  • 塗りムラがないか
  • 塗り残しがないか

⑥ 中塗り完了後

3回塗りの2回目。上塗り後は確認できなくなります。

記録すべき内容:

  • 中塗り完了後の外壁全体
  • 色ムラがないか
  • 下塗りとの色の違い(3回塗り確認)

⑦ 足場解体前(最終チェック)

足場があるうちの最後のチャンス。解体後は高所の確認が困難になります。

記録すべき内容:

  • 仕上がり全体
  • 気になる部分のアップ
  • 付帯部(雨樋・破風・軒天)の仕上がり
  • 清掃状況

トラブル時に「証拠」として認められる条件

証拠能力を高める5つのポイント

記録が「証拠」として認められるためには、以下の条件を満たすことが重要です。

1. 日時が特定できる

「いつ撮影したか」が分からない記録は、証拠能力が大幅に下がります。

  • 撮影機器の日時設定を正確に
  • 撮影時に日付が分かるものを映す
  • 撮影後すぐにクラウドにバックアップ(タイムスタンプが残る)

2. 場所が特定できる

「どこを撮影したか」が分からなければ意味がありません。

  • 全体写真を必ず撮る
  • 住所表示や表札を映す
  • 建物の特徴が分かるアングルで撮る

3. 連続性がある

1枚だけの写真より、複数の記録がある方が信頼性が高まります。

  • 同じ箇所を複数アングルで
  • ビフォー・アフターをセットで
  • 日をまたいで継続的に記録

4. 改ざんの痕跡がない

編集や加工された記録は、証拠能力が下がります。

  • 撮影したままの状態で保存
  • 元データを必ず残す
  • クラウドバックアップで原本を保全

5. 第三者が確認できる状態

自分だけが見られる記録より、第三者に共有できる状態の方が信頼性が高まります。

  • 施工管理アプリに記録を残す
  • クラウドストレージに保存
  • 必要に応じて業者にも共有

記録の保存と管理

バックアップは必須

せっかく撮った記録も、スマホの故障や紛失で消えてしまっては意味がありません。

バックアップ方法:

  • Googleフォト / iCloud(自動バックアップ)
  • Dropbox / OneDrive
  • 外付けHDD / SSD

撮影したらすぐにクラウドに同期する設定にしておくと安心です。

フォルダ分けで整理

記録が増えると、「いつの写真か分からない」状態になりがちです。

おすすめのフォルダ構成:01_工事前、02_足場設置、03_高圧洗浄、04_下地処理、05_下塗り、06_中塗り、07_上塗り、08_付帯部、09_完了検査

保存期間の目安

外壁塗装の保証期間は5〜10年が一般的です。最低でも保証期間中は記録を保存しておきましょう。

万が一のトラブルで、「工事当時の記録を見せてください」と言われたときに対応できます。

施工管理アプリを活用した記録術

アプリなら記録と管理が一元化

施工管理アプリを使えば、撮影・保存・整理がすべて一つの場所で完結します。

アプリのメリット:

  • 工程ごとに自動で整理される
  • 日時・場所が自動記録される
  • クラウド保存で消える心配がない
  • 業者と共有できる

記録が「コミュニケーションツール」になる

アプリに記録を残すことで、業者との会話もスムーズになります。

「昨日アップロードした写真の、この部分なのですが…」

口頭で説明するより、写真を見ながら話す方が正確に伝わります。

「見ている」ことの抑止効果

施主が記録を残していることが分かれば、業者も緊張感を持って作業します。

防犯カメラと同じ効果です。「見られている」という意識が、手抜きを防ぎます。

よくある質問(FAQ)

Q. 360度カメラを持っていません。動画だけでも大丈夫ですか?

A. 動画でも十分役立ちます。360度動画が最強ですが、ないものを嘆くより、今持っているスマホで動画を撮る方が大切です。何も記録しないことが最もリスクです。

Q. 業者に「撮影していいですか?」と聞くべきですか?

A. 聞く必要はありません。自分の家の工事を記録するのは施主の権利です。ただし、職人さんの顔を至近距離で撮影するなど、プライバシーに配慮は必要です。

Q. 毎日撮影する必要がありますか?

A. 毎日でなくても構いません。「7つのタイミング」を中心に、工程の区切りで撮影すれば十分です。ただし、気になる点を見つけたら、その都度記録しておきましょう。

Q. 撮影した記録を業者に見せるべきですか?

A. 基本的には見せる必要はありません。ただし、気になる点を伝える際に「写真を撮ったのですが」と見せると、説明がスムーズになることがあります。

Q. トラブルになったとき、記録はどう使えばいいですか?

A. まずは業者との話し合いで記録を提示します。それでも解決しない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターや弁護士に相談する際の資料として使えます。

まとめ:記録は「お守り」

外壁塗装の記録は、トラブル時の「お守り」です。

何事もなく工事が終われば、記録の出番はありません。しかし、万が一のとき、記録があるかないかで、結果は大きく変わります。

記録の優先順位:

360度動画(最強):全方位を記録、改ざん困難

動画(推奨):時間経過と連続性を記録

写真(最低限):ないよりはずっとマシ

必ず記録すべき7つのタイミング:

工事開始前(最重要)

足場設置後

高圧洗浄後

下地処理後

下塗り完了後

中塗り完了後

足場解体前

記録は「疑っている」のではなく、「備えている」だけ。信頼できる業者ほど、施主の記録を歓迎します。

100万円を超える工事です。数分の記録で、安心を手に入れましょう。

施工管理アプリで記録を一元管理

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