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下地処理が8割を決める|「人工」で業者を比較する方法

外壁塗装の品質は下地処理で8割決まる。見積書の「人工(にんく)」を比較すれば、業者の姿勢が見える。ケレン・高圧洗浄・コーキングの人工数を箇所別に比較する方法を解説。

「どの塗料を選べばいいですか?」

外壁塗装を検討している方から、よくいただく質問です。シリコン、フッ素、無機…塗料のグレードは確かに気になりますよね。

しかし、50年塗装業に携わってきた経験から断言します。塗装の仕上がりと持ちを決めるのは、塗料のグレードではありません。下地処理です。

そして、下地処理にどれだけ手間をかけてくれるかは、見積書の「人工(にんく)」を比較すれば分かります。

この記事では、なぜ下地処理が8割を決めるのか、そして見積書の人工数から業者を比較する方法をお伝えします。

「人工」とは何か

まず「人工(にんく)」について説明します。

職人1人が1日働く作業量の単位です。例えば「3人工」なら、職人1人が3日間、または職人3人が1日で終わる作業量を意味します。

なぜ人工が重要なのか。それは、人工数を見れば「どれだけ時間をかけてくれるか」が分かるからです。

塗装工事の品質は「品質=やる気×技術×時間」という方程式で決まります。どんなに腕のいい職人でも、時間がなければ丁寧な仕事はできません。

なぜ下地処理が8割を決めるのか

ベテラン職人のIさんとの対談で、こんな話がありました。

「いい仕上がりかどうかは、塗料のグレードではなくてケレンするかしないかにかかっている」

ケレンとは、サビ落としや旧塗膜を剥がす作業のこと。地道で時間のかかる作業ですが、上に塗装をしてしまえば表面上は全く分からなくなります。

つまり、ごまかしやすい工程なのです。

どんなに高性能な塗料を選んでも、下地処理が不十分であれば塗膜は密着せず、早期に剥がれや膨れが生じます。

塗装工事は塗ってしまうと下地の状態が見えなくなるため、ごまかしがしやすいという問題があります。だからこそ、見積書の段階で「下地処理にどれだけの人工をかけるか」を比較することが重要なのです。

下地処理の正しい順番

下地処理には正しい順番があります。

  1. ケレン作業(サビ落とし・旧塗膜剥がし)
  2. 高圧洗浄(ケレンで削った汚れを一緒に洗い流す)
  3. 乾燥(最低1日、できれば2日)
  4. 下地補修(クラック補修など)
  5. コーキング撤去
  6. コーキング打ち込み

ケレンを高圧洗浄の前に行うこと。ケレンで削ったサビや旧塗膜を、高圧洗浄で一緒に洗い流せるからです。

人工数を「箇所別」に比較する

下地処理の人工数は、業者によって大きな差があります。しかし「適正な人工数」の目安はあるようでないのが実情です。

だからこそ、複数の業者から見積もりを取り、人工数を横並びで比較することが重要です。

特に注目すべきは、ケレン作業の人工数です。ケレンは箇所ごとに手間が違うため、以下の箇所別に人工数を確認しましょう。

  • 外壁
  • 軒裏
  • 破風・鼻隠し
  • 雨樋
  • 水切り
  • シャッター・シャッターボックス

これらの箇所ごとに人工数を比較すれば、どの業者が下地処理に手間をかけているかが一目で分かります。

コーキングは「撤去」と「打ち込み」を分けて確認

コーキング工事は「打ち替え」と「増し打ち」で大きく違います。

  • 打ち替え:古いコーキングを撤去してから新しく充填
  • 増し打ち:古いコーキングの上から充填

増し打ちは人工数が少なくて済みますが、古いコーキングと一緒に剥がれるリスクがあります。

見積書では「コーキング撤去」と「コーキング打ち込み」が分けて記載されているか確認してください。撤去の人工数がゼロなら、増し打ちで済ませようとしている可能性があります。

また、破風・鼻隠しにもコーキングがあることを忘れずに。見落としやすい箇所なので、見積もりに含まれているか確認しましょう。

塗装工程は「缶数」で確認

塗装工程(下塗り・中塗り・上塗り)については、人工数での比較はあまり意味がありません。早く塗っても遅く塗っても、品質に影響するのは塗膜の厚みだからです。

塗装の品質を確認するには、使用した塗料の缶数を報告してもらうのが有効です。適正な缶数が使われていれば、塗膜の厚みは確保されています。

薄めすぎた塗料は塗膜が弱くなるため、希釈率と使用缶数の確認が重要です。

見落としやすい箇所

下地処理で見落としやすい箇所があります。

  • 破風・鼻隠しのコーキング
  • 谷樋(屋根の谷部分の板金)
  • 唐草(屋根の端の板金)

これらの板金部の施工が見積もりに含まれているか、必ず確認してください。

工事中の進捗確認

下地処理がきちんと行われているかは、工事中に確認するしかありません。

施工管理アプリを活用すれば、工程ごとの進捗を写真で確認できます。特に下地処理は塗装後に見えなくなるため、工程ごとの記録が重要です。

無料ダウンロード:下地処理工程の人工数比較シート

この記事で紹介した内容を、印刷して使えるPDFにまとめました。

  • 下地処理の工程別比較表(A社・B社・C社記入欄付き)
  • ケレン作業の箇所別チェック
  • 確認すべきポイント
  • 業者に聞くべき質問リスト

見積書を比較するときに、ぜひご活用ください。

下地処理工程の人工数比較シート(PDF)をダウンロード

まとめ:下地処理の人工数で業者を比較しよう

外壁塗装で失敗しないために、覚えておいてほしいことがあります。

塗装の品質は「下地処理にどれだけ手間をかけるか」で決まります。そして、その手間は見積書の「人工数」を比較すれば見えてきます。

複数の業者から見積もりを取り、下地処理の人工数を横並びで比較してください。特にケレン作業の人工数が少なすぎる業者は要注意です。

「下地処理には何人工かけますか?」
「ケレン作業はどの箇所まで行いますか?」

この質問ができるだけで、手抜き業者を見抜く力が格段に上がります。

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