雨漏りという「構造的癌」への警鐘
- ベランダは屋根以上に過酷な環境に晒される
- 施主にとっては「床が汚れた」「塗装が剥げた」という美観的問題
- 専門家の視点では建物の構造躯体を蝕む「癌」の初期症状
- ベランダは水を受け止め排水溝へ誘導する「浅いプール」
- 防水層の破断から侵入した雨水は構造体内部へ浸透
- 木造住宅:柱・梁・土台の腐朽、シロアリ被害
- RC造:鉄筋の爆裂(錆による膨張)
防水の品質の8割は下地処理で決まる
どれほど高価なトップコートを塗布しても、下地が健全でなければ砂上の楼閣
高圧洗浄の功罪
水楔(みずくさび)効果
- 劣化が進行しているベランダ防水への高圧洗浄は致命的リスク
- 微細なクラックや層間剥離に高圧洗浄=構造体内部へ水を「注入」
- 洗浄水は毛細管現象でコンクリートや合板の深部まで到達
残留水分による膨れのメカニズム
- 下地に浸透した水分は数時間の乾燥では除去できない
- ALC・モルタル下地の深部乾燥には数週間を要することも
- 太陽熱で残留水分が気化→体積が1000倍以上に膨張
水蒸気圧が新規防水層を下地から押し上げ「膨れ」「剥離」
ドライ処理の推奨
- 既存防水層に著しい劣化がある場合は高圧洗浄を禁止
- ディスクサンダーによる研磨(ケレン)
- 有機溶剤(アセトン等)による油分除去
- 集塵機による粉塵完全除去
下地を濡らさない唯一の確実な方法
含水率管理の重要性
- ウレタン防水:水分計で「8〜10%以下」が基準
- 目視だけでコンクリート内部の水分量を正確に測ることは不可能
高周波水分計を用いた定量的データに基づく判断が最低条件
雨漏りを防ぐ要衝:ドレンと立ち上がり
ドレン(排水口)
雨漏りの90%以上は「ドレン」「立ち上がり」「笠木」から発生
- ドレン廻りは異種素材の接合部でストレスが集中、最もひび割れやすい
- 改修ドレンの必須性:鉛やウレタン製のジャバラホース付きドレンを既存穴に差し込む
- 防水層と排水管を一体化し、既存のひび割れ箇所をバイパス
- 排水能力低下リスク:既存管の中に新管を通すため口径が狭くなる(60mm→45mm程度)
ストレーナー(ゴミ受け)の清掃を施主に強く指導
立ち上がりと笠木
- 防水層は壁面へ「立ち上がり」を設ける(通常250mm以上)
- 端末処理のシーリングが切れると防水層の裏側に水が回り込む
- 笠木の継ぎ目や固定ビスからの浸水も多い
床の防水を完璧にしても雨漏りが止まらない場合、原因は十中八九「笠木」
見積書チェックポイント
「ベランダ防水一式 15万円」は論外
- 下地処理費(ケレン、清掃、プライマー塗布)
- 仕様メーカーと工法名(密着工法か通気緩衝工法か、X-1/X-2等)
- 改修ドレンの有無(必須項目)
- 撤去費・産廃費
工法選定マトリクス
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