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ベランダ防水下地処理・補修

ベランダ防水の下地処理・補修|工法別の注意点と雨漏りを防ぐ要衝

ベランダ防水の品質の8割は下地処理で決まる。FRP・ウレタン・シートの工法別注意点、高圧洗浄の功罪と含水率管理、改修ドレンと立ち上がりの重要性、見積書チェックポイントまで、50年の現場経験から解説。

雨漏りという「構造的癌」への警鐘

  • ベランダは屋根以上に過酷な環境に晒される
  • 施主にとっては「床が汚れた」「塗装が剥げた」という美観的問題
  • 専門家の視点では建物の構造躯体を蝕む「癌」の初期症状
  • ベランダは水を受け止め排水溝へ誘導する「浅いプール」
  • 防水層の破断から侵入した雨水は構造体内部へ浸透
  • 木造住宅:柱・梁・土台の腐朽、シロアリ被害
  • RC造:鉄筋の爆裂(錆による膨張)

防水の品質の8割は下地処理で決まる

どれほど高価なトップコートを塗布しても、下地が健全でなければ砂上の楼閣

高圧洗浄の功罪

水楔(みずくさび)効果

  • 劣化が進行しているベランダ防水への高圧洗浄は致命的リスク
  • 微細なクラックや層間剥離に高圧洗浄=構造体内部へ水を「注入」
  • 洗浄水は毛細管現象でコンクリートや合板の深部まで到達

残留水分による膨れのメカニズム

  • 下地に浸透した水分は数時間の乾燥では除去できない
  • ALC・モルタル下地の深部乾燥には数週間を要することも
  • 太陽熱で残留水分が気化→体積が1000倍以上に膨張

水蒸気圧が新規防水層を下地から押し上げ「膨れ」「剥離」

ドライ処理の推奨

  • 既存防水層に著しい劣化がある場合は高圧洗浄を禁止
  • ディスクサンダーによる研磨(ケレン)
  • 有機溶剤(アセトン等)による油分除去
  • 集塵機による粉塵完全除去

下地を濡らさない唯一の確実な方法

含水率管理の重要性

  • ウレタン防水:水分計で「8〜10%以下」が基準
  • 目視だけでコンクリート内部の水分量を正確に測ることは不可能

高周波水分計を用いた定量的データに基づく判断が最低条件

雨漏りを防ぐ要衝:ドレンと立ち上がり

ドレン(排水口)

雨漏りの90%以上は「ドレン」「立ち上がり」「笠木」から発生

  • ドレン廻りは異種素材の接合部でストレスが集中、最もひび割れやすい
  • 改修ドレンの必須性:鉛やウレタン製のジャバラホース付きドレンを既存穴に差し込む
  • 防水層と排水管を一体化し、既存のひび割れ箇所をバイパス
  • 排水能力低下リスク:既存管の中に新管を通すため口径が狭くなる(60mm→45mm程度)

ストレーナー(ゴミ受け)の清掃を施主に強く指導

立ち上がりと笠木

  • 防水層は壁面へ「立ち上がり」を設ける(通常250mm以上)
  • 端末処理のシーリングが切れると防水層の裏側に水が回り込む
  • 笠木の継ぎ目や固定ビスからの浸水も多い

床の防水を完璧にしても雨漏りが止まらない場合、原因は十中八九「笠木」

見積書チェックポイント

「ベランダ防水一式 15万円」は論外

  • 下地処理費(ケレン、清掃、プライマー塗布)
  • 仕様メーカーと工法名(密着工法か通気緩衝工法か、X-1/X-2等)
  • 改修ドレンの有無(必須項目)
  • 撤去費・産廃費

工法選定マトリクス

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構造別の注意点

あなたの建物の構造に合わせた下地処理・補修のポイントをご確認ください

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FRP防水の下地処理・補修

特徴

  • ガラス繊維マットをポリエステル樹脂で固めた強靭な防水層
  • 新築の木造住宅ベランダで主流

「硬く、重く、強い」が「柔軟性がない(追従性が低い)」

劣化サイン

  • ひび割れ(クラック):立ち上がり部・入隅・床中央部に発生しやすい。防水層が割れている状態で直ちに雨水侵入
  • トップコートの剥離:表面の色層がパリパリと剥がれ、ガラス繊維が露出
  • 白華現象:紫外線劣化で樹脂が分解、ガラス繊維が白く浮き出る。皮膚に刺さる弊害も

補修の難易度:化学的接着の限界

「上から樹脂を塗れば埋まる」は化学的に誤り

  • FRP樹脂にはパラフィン(蝋)成分が含まれる
  • 硬化時にパラフィンが表面に浮き出て膜を作る
  • このパラフィン膜が補修時の再接着を阻害

単に上塗りしただけでは数ヶ月でペラペラと剥がれる

適切な下地処理

  • 1. アセトン拭き:表面の油分とパラフィンを溶解・除去
  • 2. ディスクサンダーによる目荒らし:物理的に傷をつけアンカー効果を高める(最重要)
  • 3. プライマー選定:既存FRP層を侵して一体化させるリマスター用プライマー

撤去 vs 重ね張りの判断

  • 重ね張り(1プライ/2プライ):既存FRPが合板に密着、表面劣化のみの場合
    • 1プライ:ガラスマット1枚
    • 2プライ:ガラスマット2枚(厚み約2.4mm)屋上や歩行頻度の高い場所で必須
  • 撤去(全交換):「ベコベコ」と音がする、沈み込む場合は下地合板が腐っている
    • 上からFRPを巻いても腐食は進行、最終的に床が抜け落ちる
    • 既存FRP撤去+腐食合板張り替えの大工工事が必要

見積書確認ポイント

  • 1プライか2プライかの記載
  • アセトン拭き・目荒らしの下地処理記載
  • 既存下地の状態確認結果

写真確認ポイント

  • 目荒らし後の表面状態
  • ガラスマット敷設状態

タブをタップして構造別の情報を切り替えられます

よくある質問

下地処理・補修に関するよくある質問にお答えします

A

一般的に10〜15年が目安です。ただし、ひび割れ、膨れ、表面の粉吹き(チョーキング)が見られたら早めの対応が必要です。天井にシミができる頃には、天井裏の断熱材がカビだらけ、木材は腐朽菌に侵されている可能性があります。

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