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外壁塗装下塗り

下塗り工程|構造別の最適解と塗膜品質の8割を決める選定基準

「塗装の寿命の8割は下塗りで決まる」。モルタル、窯業系サイディング、ALC、金属サイディング、RC造―構造ごとに異なる劣化メカニズムと、それに対応する下塗り材の選定基準を50年の現場経験から徹底解説。シーラー・フィラー・プライマーの違いと正しい使い分け。

下塗りが「塗装の寿命」を決める理由

上塗り塗料のグレードより重要な事実

  • 施主が最も関心を持つのは「上塗り塗料のグレード」(シリコン、フッ素、無機など)

しかし塗装の寿命と品質の8割は「下地処理と下塗り」で決定される

  • 高価なフッ素塗料を使っても、下塗りが脆弱なら塗膜ごと剥がれ落ちる(板状剥離)

下塗り材の3つの機能

  1. 浸透固化:脆弱化した下地に染み込み、強化する
  2. 接着(密着):下地と上塗りを化学的・物理的に結合させる
  3. 吸い込み止め:多孔質の下地への塗料吸収を抑え、ムラを防ぐ

シーラー・フィラー・プライマーの違い

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カチオン系シーラーの特性

  • 「カチオン」=プラス帯電した樹脂
  • コンクリートや旧塗膜はマイナス帯電している

電気的に引き合うことで強力な密着力を発揮

  • 湿潤面への適性も高い

微弾性フィラーの特性

  • ゴムのような弾性を持つ厚膜タイプ
  • ヘアークラック(微細なひび割れ)に追従
  • 砂骨ローラーで「さざ波模様」に厚塗り

注意:窯業系サイディングには使用禁止(熱膨れの原因)

見積書チェックポイント

「下塗り一式」の危険性

  • 「下塗り一式 ○○円」では何が使われるかわからない
  • 確認すべき項目:
    • 下塗り材の商品名・メーカー名
    • 塗り回数(吸い込みが激しい場合は2回必要)
    • 構造に対応した材料選定の根拠

構造と下塗り材の対応表(簡易版)

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工程写真の要求

  • 下塗り施工中の写真(塗っている最中)
  • 「濡れ色」になっているか(吸い込みが止まっている証拠)
  • 使用塗料缶のラベル写真
  • 空き缶検査(使用量の物理的証拠)

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構造別の注意点

あなたの建物の構造に合わせた下塗りのポイントをご確認ください

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mortar

モルタル外壁の下塗り工程

素材特性

  • ラス網の上にセメントモルタルを左官仕上げした湿式工法
  • 日本の木造住宅の伝統的な外壁材
  • 意匠性が高く、継ぎ目がない

劣化メカニズム

  1. 乾燥収縮クラック
    • モルタルは硬化時に収縮する性質
    • ヘアークラック(幅0.3mm未満)が無数に発生
    • 構造クラック(幅0.3mm以上)は建物の動きに起因
  2. 吸水性の高さ
    • 経年でセメント成分が流出し、表面が多孔質化
    • 塗料の樹脂分が吸い込まれ、顔料だけが残る
    • 結果:艶引け、色ムラ、早期チョーキング

下塗り選定の最適解:複合層工法

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シーラー塗布の判定基準

  • 塗布後、表面が「濡れ色」になり艶が出ているか
  • 吸い込まれて艶がない→シーラーの機能が発揮されていない

この場合は2回塗り(追い塗り)が必須

構造クラック(幅0.3mm以上)への対処

  • フィラーの刷り込みだけでは不十分(手抜き)

Uカットシール工法が必須:

  1. ダイヤモンドカッターでU字型に溝を掘る(幅10mm×深さ10mm)
  2. プライマー塗布
  3. ウレタン系または変成シリコン系シーリング充填
  4. 樹脂モルタルで表面を平滑化(パターン復元)

見積書確認ポイント

  • シーラーの種類(カチオン系か)
  • シーラーの塗り回数(1回か2回か)
  • 微弾性フィラーの有無
  • 構造クラックへの対処方法(Uカット工法の記載)

写真確認ポイント

  • シーラー塗布後の濡れ色状態
  • Uカット処理の施工状況
  • 微弾性フィラーの厚塗り状態

タブをタップして構造別の情報を切り替えられます

よくある質問

下塗りに関するよくある質問にお答えします

A

シーラーは吸い込み止めと浸透固化、プライマーは接着と防錆、フィラーは下地調整と膜厚形成が主目的です。語源はそれぞれSeal(封印)、Primary(最初)、Fill(埋める)で、役割が異なります。構造や劣化状態に応じて正しく使い分ける必要があります。

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