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外壁塗装上塗り

上塗り工程|構造別の塗料選定と「現場で完成する半製品」の真実

「最高級の塗料を使えば家が長持ちする」は幻想。塗料は缶に入っている状態では「半製品」に過ぎない。構造ごとの特性を理解した塗料選定、膜厚管理、乾燥時間の厳守―50年の現場経験が語る上塗り工程の真髄。

塗料は「現場で完成する半製品」

缶に入っている状態は単なる化学薬品

  • 塗料は缶に入っている状態ではあくまで「半製品」
  • 現場で職人がその日の気温や湿度を見極め
  • 適切な下地処理を施し、規定の塗布量を守り
  • 厳密な乾燥時間を経て塗り重ねることで
  • 初めて家を守る「完成品(塗膜)」へと昇華する

上塗り塗料のグレードより重要なこと

  • 多くの施主は「上塗り塗料のグレード」や「30年持ちます」という営業文句に目を奪われがち
  • しかし塗装の寿命を決定づけるのは:
    • 下地調整
    • 下塗り
    • 構造ごとの特性を理解した塗料選定
  • 上塗りは「最終防衛線」だが、その防衛線を支える基礎(下地)が腐っていれば崩壊する

塗料グレードの科学的理解

樹脂結合エネルギーと紫外線劣化

  • 塗料の耐久性は「化学結合の強さ」と「紫外線エネルギー」の力関係で決まる
  • 紫外線(UV)は約97kcal/molの解離エネルギー
  • これより弱い結合を持つ樹脂は時間をかけて分解される
  • これがチョーキング(白亜化)の正体
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「1液型」と「2液型」の決定的違い

  • 1液型:水やシンナーを混ぜるだけで塗れる
  • 2液型:主剤と硬化剤を現場で計量・混合して使う
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  • 耐久性優先なら2液型を推奨
  • ただし「可使時間(ポットライフ)」の管理が必要

環境要因と施工管理

インターバル(塗装間隔)の重要性

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  • 「手早く終わらせる業者」が良い業者ではない

「適切な乾燥時間を守るために現場を空ける日を作る業者」がプロ

気温・湿度による施工禁止条件

  • 湿度85%以上:塗膜に水分が取り込まれ、ツヤ引けや白濁(カブリ)
  • 気温5℃以下:造膜過程や架橋反応が停止・極端に遅延
  • 冬場は日中の暖かい時間帯(10時〜14時頃)しか作業不可

チョーキングが早期(3〜5年)に出た場合の原因

  1. 規定塗布量の不足:塗料を規定以上に薄めて塗った
  2. 撹拌不足:塗料成分が分離したまま塗装
  3. 可使時間の超過:2液型塗料のゲル化が始まったものを使用

これらは全て「人災」

見積書チェックポイント

「下地」への言及量を見よ

  • 良い業者の見積書は、上塗り塗料のカタログスペックより
  • 「現在の壁の状態」と「それをどう処理するか」の解説に熱量を割く

下地こそが命

「缶数」の約束と空き缶の確認

  • 塗布量をごまかされないための最強の防衛策
  • 「この面積なら○缶必要です」という根拠を事前に提示させる
  • 工事完了後に空き缶の写真を提出させる(または現物確認)

悪徳業者を牽制する最も効果的な手段

「待てる」勇気を持つ

  • 「雨で工期が延びましたが、乾燥を優先しました」と報告してくる職人を責めない

工期短縮を強要することは、自ら手抜き工事を誘発するようなもの

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構造別の注意点

あなたの建物の構造に合わせた上塗りのポイントをご確認ください

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mortar

モルタル外壁の上塗り工程

素材特性

  • セメントと砂と水を練り混ぜ、ラス網の上に塗りつけた湿式工法
  • 日本家屋の伝統的かつ重厚な仕上げ
  • 乾燥収縮や地震の揺れにより「ひび割れ(クラック)」が発生しやすい

塗料選定の鉄則:「弾性」が不可欠

  • モルタルの最大の敵は水
  • ひび割れから侵入した雨水→モルタル脆弱化→ラス網錆び→構造体の木材腐食

推奨:弾性塗料(ゴムのように伸び縮みする性質)

  • 下地にクラックが入っても塗膜が伸びて表面をカバー
  • 推奨グレード:弾性シリコン塗料、微弾性フィラー(下塗り)

モルタル特有のリスク:「膨れ」のメカニズム

  • モルタルは多孔質で吸水性が高い
  • 壁内部に水分が滞留している状態で
  • 通気性のない弾性塗料で蓋をすると
  • 気温上昇→内部水分が気化→体積約1700倍に膨張
  • 逃げ場を失った水蒸気が塗膜を内側から押し上げる

対策:「透湿性」を持った弾性塗料を選ぶ(液体の水は通さないが水蒸気は通す)

インターバルの重要性

  • 弾性塗料は塗膜が厚くなる
  • 表面が乾いていても内部に溶剤や水分が残っている
  • 午前中に中塗り→その日の午後すぐに上塗りは危険

鉄則:厚膜仕上げは仕様書の「標準塗装間隔」の長めを確保

  • 冬場は必ず翌日まで乾燥させる「オーバーナイト」

見積書確認ポイント

  • 「弾性」かつ「透湿」の記載があるか
  • 大きなクラック(0.3mm以上)への補修計画(Vカット処理、コーキング充填)
  • 含水率の確認(塗装前の測定)

写真確認ポイント

  • 上塗り完了後の仕上がり状態
  • 膨れやピンホールがないか

タブをタップして構造別の情報を切り替えられます

よくある質問

上塗りに関するよくある質問にお答えします

A

必ずしもそうではありません。塗料は缶に入っている状態では「半製品」です。現場で適切な下地処理、規定の塗布量、厳密な乾燥時間を経て初めて性能を発揮します。高価なフッ素塗料でも、下地処理が不十分なら数年で剥がれます。

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