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屋根塗装下地処理・補修

屋根塗装の下地処理・補修|屋根材別の注意点と塗装できない屋根の見分け方

屋根塗装の成否は上塗り塗料ではなく下地処理で9割決まる。スレート・金属・セメント瓦・日本瓦の屋根材別注意点、塗装できないノンアスベスト製品の見分け方、縁切り・タスペーサーの重要性まで、50年の現場経験から解説。

屋根は「見えない場所」だからこそ手抜きの温床になる

  • 施主にとって最も管理が困難な「不可視領域」
  • 施工中も職人の手元を確認するには足場を組んで登る以外に方法がない
  • 物理的な障壁が「手抜き」を誘発する温床に
  • 洗浄不十分、ひび割れ未補修は施工直後は判別がつかない

2〜3年で塗膜の剥離、膨れ、雨漏りとして顕在化

塗装の役割と限界

  • 塗装の主目的は「防水機能の再生」と「基材の延命」
  • 塗装は劣化プロセスを遅らせる犠牲膜

構造的な寿命を迎えた屋根材には塗装は無力

  • 不適切な塗装が排水経路を塞ぎ、建物の寿命を縮める「オーバーメンテナンス」も

塗装できない屋根材の見分け方

ノンアスベスト移行期の欠陥製品(1990年代後半〜2000年代中盤)

  • アスベスト規制の過渡期に製造された製品群が問題
  • 塗装しても基材ごと塗膜が剥がれる

カバー工法や葺き替えが推奨

要注意製品リスト

  • パミール(ニチハ、1996〜2008年):層間剥離(ミルフィーユ現象)、高圧洗浄で破壊
  • コロニアルNEO(クボタ、2001年〜):無数の不規則なひび割れ、大きな欠け
  • レサス(松下電工):ひび割れ・欠損リスク
  • アーバニー(クボタ):スリット根元から割れやすい
  • グリシェイドNEO(クボタ):ひび割れ・欠損リスク

高圧洗浄と乾燥の重要性

高圧洗浄の適正水圧

  • 一般的な屋根材では12MPa〜15MPa
  • モニエル瓦のスラリー除去には特に高圧が必要
  • 劣化の激しいスレートは圧力調整が必要

バイオ洗浄

  • 北面のコケやカビは根が奥深くまで入り込んでいる
  • 水洗いだけでは菌糸が残り、塗装後に再繁殖

殺菌作用のある特殊洗剤で菌を死滅させてから洗い流す

乾燥時間の基準

  • 夏場:最低24時間(丸1日)
  • 冬場・湿潤時:48時間〜72時間以上
  • 含水率10%以下(理想は8%以下)を確認してから次工程へ
  • プロは「高周波水分計」で測定

棟板金の補修

釘浮きのメカニズム

  • 築7〜10年で自然に浮いてくる
  • 金属の熱膨張・収縮が釘を引き抜く(ヒートサイクル)
  • 下地の木材(貫板)の劣化・腐食で保持力低下

補修方法

  • ビス交換:浮いた釘をステンレス製パッキン付きビスに交換
  • 貫板交換:腐食している場合は貫板を交換
  • 腐食しない樹脂製・人工木材の貫板を使用する工法も

見積書チェックポイント

  • 屋根材の製品名確認結果(パミール等でないか)
  • タスペーサー挿入または縁切り工法の記載(スレートの場合)
  • スラリー強化プライマーの記載(モニエル瓦の場合)
  • 高圧洗浄の仕様(水圧、バイオ洗浄の有無)
  • 棟板金の補修項目(釘打ち直し、ビス交換、貫板交換)
  • 工程表で洗浄翌日が「乾燥養生」として空いているか
  • 石綿事前調査費の項目

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構造別の注意点

あなたの建物の構造に合わせた下地処理・補修のポイントをご確認ください

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スレート屋根の下地処理・補修

構造の特徴

  • カラーベスト・コロニアルとも呼ばれる薄型化粧スレート
  • セメントに繊維質を混入して加圧成形
  • 軽量で耐震性に優れるが、素材自体に防水性はない
  • 工場出荷時の塗装で保護されている

劣化パターン

  • 塗膜の退色とチョーキング(粉吹き)
  • 吸水と乾燥の繰り返しによる反りとクラック
  • 苔・藻の繁殖(毛細管現象で雨水を内部に引き込む)

最重要:縁切りとタスペーサー

  • スレート瓦の重なり部分には適度な隙間が必要
  • 塗装で隙間が埋まると雨水の出口が塞がれる

毛細管現象で水が裏側に吸い上げられ、野地板へ浸入→雨漏り

  • 「タスペーサー」で物理的に隙間を確保する工法が標準
  • タスペーサーが使用できない場合(隙間4mm以上など)は従来の縁切り工法

アスベスト確認

  • 2004年以前のスレートはアスベスト含有の可能性
  • 石綿事前調査が義務化(2023年10月〜)
  • 見積もりに「石綿事前調査費」があるか確認

見積書確認ポイント

  • 「タスペーサー挿入」または「縁切り工法」の記載
  • 屋根材の製品名確認(パミール等の欠陥製品でないか)

写真確認ポイント

  • タスペーサー挿入後の状態
  • 高圧洗浄後の乾燥状態

タブをタップして構造別の情報を切り替えられます

よくある質問

下地処理・補修に関するよくある質問にお答えします

A

屋根材の種類と製造時期によります。特に1990年代後半〜2000年代中盤のノンアスベスト移行期の製品(パミール、コロニアルNEO等)は塗装しても基材ごと剥がれるため、カバー工法や葺き替えが必要です。業者に屋根材の製品名を確認してもらいましょう。

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