塗装の本質:美観の回復ではなく資産の防衛
- 屋根塗装は「色彩の変更」ではなく「犠牲被膜」を形成するエンジニアリング
- 屋根材はそれぞれ異なる「生理学」を持つ
- スレートにはスレートの、金属には金属の呼吸・弱点・化学的特性がある
一律に高価な塗料を塗布することは誤診に基づく投薬
不具合の9割は下地処理と環境管理で決まる
- 塗装の不具合(剥離、膨れ、変色、白化)の9割は上塗り塗料のグレードではない
- 最高級の無機塗料でも、下地の含水率が高ければ水蒸気圧で膨れる
ケレンが不十分なら塗膜の下で酸化は進行し続ける
高圧洗浄と乾燥管理の科学
適正水圧
- 通常15MPa(約150kgf/cm²)程度が推奨
- 低すぎると汚れが残り付着不良の原因
- 高すぎると基材(劣化したスレートやセメント瓦)を破壊
- トルネードノズルは水圧が一点に集中するため熟練の技が必要
残留水分と蒸気圧の脅威
- 表面が乾いて見えるだけでは塗装してはならない
- スレート・セメント瓦・コンクリートは多孔質で内部に水分を保持
残留水分が太陽熱で気化すると体積が約1700倍に膨張
- 水蒸気圧が塗膜を裏側から押し上げ「膨れ」「剥離」を引き起こす
- 乾燥期間:最低24時間〜72時間
- 含水率基準:木部15%以下、モルタル・コンクリート8〜10%以下
気象条件の判断基準
塗装禁止条件
- 気温5℃以下:水性塗料は造膜不良、溶剤系は硬化反応遅延
- 湿度85%以上:ブラッシング(かぶり)現象で塗膜が白化
露点温度の管理
- 被塗物の表面温度が露点温度より3℃以上高くなければならない
- 目に見えない微細な結露が初期密着を阻害
- 特に夕方や早朝の作業で注意が必要
施主による品質チェックリスト
- 高圧洗浄後:触って濡れていないか、コケが落ちているか確認
- 下塗り完了時(スレート):タスペーサーがスレートの隙間に適切に挿入されているか
- 下塗り完了時(金属):錆止めが全面に塗られているか確認
- 全工程完了:見積もり缶数が搬入され、すべて空になっているか
- 完了検査:色ムラ、塗り残し、周囲への飛散がないか
空き缶検査
施主ができる最強の防衛策
- 「使用した空き缶の写真をすべて撮って提出してください」と事前に伝える
- 塗料を規定以上に薄めると必要な膜厚が確保できない
- 空き缶検査を事前に宣言することで、規定缶数の使用を担保
屋根塗装の見積書が適正か不安な方へ
屋根塗装の見積書は専門用語が多く、適正な工程・塗料選定が含まれているか判断が難しいものです。
50年の経験を持つ塗装のプロが、あなたの見積書を診断します。→ 見積書診断サービス